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Chanel Pre-Fall 2012 Paris-Bombay Metiers d'Art Collection

Grand PalaisのGalerie Courbeでランウェイショーが行われたKarl LagerfeldによるChanel Pre-Fall 2012 Paris-Bombay Metiers d'Art Collection。オモチャの列車が走るディナーテーブルの周りをウォーキングする形で披露されたコレクションは、事前の情報通りインドをインスピレーションソースとしたもの。"Fantasy is often better than reality,"というKarl Lagerfeldの発言もありましたが、カール自身は今までインドを訪れたことは無いとのことです。

カラーパレットはホワイト、ブラック、アイボリーを中心に、そこにピンクやゴールドなどを加えていましたね。「インドに関するアイデアのパリ・バージョン」というカールの説明にあるように軸足はパリに置きつつ、インドのカルチャーと戯れるというのが今回のコレクションのポイント。
ネールカラー(マオカラー)のツイード・ジャケット、チュリダルの影響を受けるタイトなボトムス、サリーのようなドレスやマフラーにショルダーバッグ、モデルを飾るジュエリーはビンディをイメージ。「メティエダール」の名が示すように服自体の構造はシンプルにし、そのキャンバスの上で職人のテクニックを大胆にフィーチャーしていましたね。アトリエの技巧の煌きによってドライブされる各Lookはマハラジャのような皇族の高貴さが漂い、その誇り高く、穢れ無き美しさは素晴らしいの一言。ちなみにこの空気感はエレガントにアトリエワークをクリエイションに取り入れるKris Van AsscheによるDior hommeにも少し通じる部分(12SSが分かり易い)があるかなと思います。

刺繍のLesage、ジュエリーのDesrues、金細工のGoossens、ファブリック・フラワー(コサージュ)のGuillet、羽根飾りのLemarie、ヘッドドレスのMichel、靴のMassaro、そして、先日発表のあったクロッシェと刺繍のMontex。これらのChanel傘下のアトリエは"Paraffection (Company)"と呼ばれており、Paraffectionとは英語で"for the Love of"を意味する。Chanelが各アトリエを自社の傘下におく目的は、受け継がれてきた技術の火が消えぬようにそれらを保護をすることにあり、そこにはアトリエへの深い愛情が存在する。
2002年にスタートしたメティエダール・コレクションはVogue.comのMark Holgateが言うように、Chanelがアトリエの職人たちに宛てて送る年に一度の"Love Letter"。ファッションの生産国が先進国から途上国へアウトソースされるのが当たり前のこの時代にフレンチ・クラフトマンシップにフォーカスを当てることで、その輝きの強さを多くの人々に再認識して欲しいという想いがこのコレクションには込められているようで、春夏や秋冬、クルーズやクチュールとはまた違ったコレクションの意味があるのがステキです。

Peter Philipsによる目元にアクセントを置いたメイクアップはインディアン・ビューティーの彼なりの解釈とのこと。リッチなイエローゴールド・メタリックのマニキュアは"Celebration of Light"と呼ばれるヒンズー教の光の祝祭「ディーワーリー(Diwali)」をオマージュしたもので、この新作マニキュア"Diwali"は2012年の夏に登場するようですね。

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posted by PFM